財団法人 名古屋市高齢者療養サービス事業団

SecureDocマネージドサービス

財団法人
名古屋市高齢者療養サービス事業団 様

愛知県名古屋市中村区豊国通1丁目14番地
hhttp://www.nrs.or.jp

個人情報を確実に保護するセキュアな環境で
利用者の安心感と業務効率を両立させた地域ケアを追及

名古屋市における高齢者などの在宅療養の基盤強化を目的として、1995年に設立された財団法人名古屋市高齢者療養サービス事業団。同財団は、急速に進展する少子高齢社会、在宅医療のニーズに対応するため、市内全16区に事業所を展開し、「利用者の笑顔が見たい」、「働く人にやりがいを実感して欲しい」をモットーにサービスを続けてきた結果、年々利用者は増加。その一方で、従事する訪問看護、居宅介護支援スタッフへの負担も増しており、より良いサービスを提供するためには、業務の効率化が避けられない課題となっていました。そこで、2009年度から名古屋工業大学大学院の岩田彰教授とのモデル事業に参画し検討を重ね、2011年度にはクラウドを活用したシステムの導入を決定。訪問看護、居宅介護支援スタッフにUltrabook™を配布し、カルテや訪問スケジュールなどの情報をクラウド上で共有することによって、的確で効率的なサービスの実現を目指しています。そこで、問題となるのが個人情報の保護。病状や投薬の記録などの情報をいかにして守っていくべきか検討を重ねた結果、SecureDocマネージドサービスの導入へたどり着いたといいます。そこで、同財団で事務局長を務める谷口幸男さん、訪問看護課長・近藤佳子さん、システム管理者・篠田和紀さんにお話を伺いました。

クラウドシステムを有効に活用するために
情報漏洩対策は必須条件

名古屋市高齢者療養サービス事業団 事務局長 谷口幸男さん
名古屋市高齢者療養サービス事業団 事務局長
谷口 幸男さん

―今回、クラウドサービスを活用した管理システムを導入しようと考えた最大の決め手を教えてください。

谷口:まず、私たちが考えなければいけないのが、利用者様の満足度をいかに高めていくかということです。そのため、これまでずっと現場でのサービスを第一に考えて、訪問看護、居宅介護支援にあたってまいりました。ありがたいことに現在約3300人もの方々にご利用いただいております。しかし、その一方で事業所で働いている方々には、負担を強いるような形にならざるを得ませんでした。訪問看護、居宅介護支援スタッフというのは専門性が高く、人材の確保という面では厳しい状況です。そこで、現在働いていただいている職員の負担を軽減することで、勤務環境の向上を図りたいと考えたのです。

近藤:より具体的に申しますと、訪問看護では職員一人当たり、一日平均4件の利用者様を訪問しています。それに伴って、訪問記録を記入したり、主治医等他機関との連絡調整等が必要となるのですが、実はこれがかなりの負担となっていました。移動も含めると約1時間かかると言われております。実質的なサービスにかかる時間が約1時間とすると、1件訪問するのに約2時間かかり、毎日8時間を超える業務となる計算です。さらに、すべて手書き書類となっているので、月初に行われる請求データ入力や書類の確認作業は、全て手作業で1日がかりでも終わらないこともしばしばでした。このような訪問看護サービス以外の実務作業を改善していき、少しでも訪問看護のための時間を作りたいという目的で、今回のシステム導入に至りました。

名古屋市高齢者療養サービス事業団 訪問看護課長 近藤 佳子さん
名古屋市高齢者療養サービス事業団 訪問看護課長
近藤 佳子さん

―管理システムの導入にあたり、具体的にどのような効果を期待されているのでしょうか?

篠田:紙ベースで行っていたことを一元管理してしまおうというのが狙いです。各職員の勤怠管理やスケジュール管理、医師から受け取る訪問看護の指示書の閲覧など、あらゆることをブラウザ上で行えるようにしています。そうすることで、重たい書類を持っての利用者様訪問や月初の請求データ入力作業などの業務を改善できると期待しています。

谷口:まだ管理システムを導入して間もないのですが、リアルタイムで情報を閲覧できるという何よりもの利点に、訪問看護、居宅介護支援スタッフたちの評判は上々です。

―配布された端末にASUSのZENBOOKを採用したのは、なぜですか?

近藤:実は、名古屋工業大学大学院の岩田彰教授とのモデル事業ではタッチパネル式のタブレット端末を使用したのですが、データ入力作業が効率的にできなかったという経緯がありました。ブラウザの閲覧だけなら便利なのですが、キーボードがないとドキュメント作成が非効率的であるという現場からのフィードバックが多かったのです。

篠田:Ultrabook™は軽くて持ち運びに便利だという利点もあります。SSDですので、お宅に訪問した際の起動時間も短い。また、フル充電しておけば、途中で充電しなくても一日の業務を実施することができます。あらゆる点で私たちのニーズを満たす端末でした。そして、何よりもインテル®アンチセフト・テクノロジーを搭載しているということで、セキュリティに関しても魅力的でした。カルテなどの個人情報を扱っていますので、セキュリティ保護は非常に重要な問題です。通信環境については、比較的漏洩や盗聴などの危険性が低いVPNのプロトコルに対応した3Gのモバイルルータを導入しました。

名古屋市高齢者療養サービス事業団 システム管理者 篠田 和紀さん
名古屋市高齢者療養サービス事業団 システム管理者
篠田 和紀さん

―そのような経緯があって、Secure Docマネージドサービスの導入に至ったわけですね?

篠田:そうですね。端末の中にはデータを残さず、すぐに削除するように指導していますが、資料のプリントアウトなどで一時的に保存し、そのまま消去せずに盗難や紛失などに遭った場合なども想定せざるを得ません。そうした状況を考えたとき、遠隔操作でPCを無効化できる SecureDocマネージドサービスは、まさにうってつけのサービスでした。

谷口:まだ紛失したというケースは報告されておりませんが、職員が端末を持ち歩くことについて利用者様の不安を軽減できると考えています。何しろ個人の生命に関わる大切な情報ですから、不安を抱えたまま、管理システムをスタートさせるわけにはいきません。訪問看護や居宅介護支援に携わる者にとって、情報セキュリティの保護は非常に大切な要素なのです。

初期費用が不要な月額課金のサービスでサービスデスクのサポートを利用できる

―SecureDocマネージドサービスを利用する決め手はどんな点にあったのでしょうか?

篠田:ひとつは自社で専用サーバーを持たなくてよいことです。サーバーを立てるとなると、自ら構築や維持管理しなくてはならなくなるので、そのような手間が省けるのは非常に魅力的でした。もうひとつは、サービスデスクの存在です。提案頂いた当時はシステム開発をしている最中でしたので、セキュリティの面で包括的にサポートしてくれて、とても助かりました。導入にあたって、端末のモデルチェンジをしているのですが、その際にいろいろと窓口の方にサポートしていただきました。もし、すべて自分たちで行おうとしたら、ソフトウェアが起動しないことも想定されたので、非常に助かっています。

―今後のビジョンをお聞かせください。

谷口:現在日本では、「地域包括ケアシステム(注:地域住民に対し、保健・医療サービス及び在宅ケア、リハビリテーションなどの介護を含む福祉サービスを、関係者が連携して体系的に提供する仕組み)」のような理念があります。そのなかで我々は何ができるのかを考えたとき、医師や訪問看護、居宅介護支援スタッフといった人たちが連携できる環境を整備することが非常に重要性を増していると思います。そこで、クラウドのようなネットワークを上手く利用することで、情報と人とが繋がれるような地域づくりを目指していくべきだと考えています。そうしたシステムを運用するにあたり、セキュリティという問題を解決するのは大切です。今後も、より良いサービスと地域づくりを目指していこうと思います。

財団法人 名古屋市高齢者療養サービス事業団

1995年設立。保健、医療、福祉サービス水準の向上を目的として、名古屋市内全16区に訪問看護ステーション、ケアマネージメントセンターを展開・運営。また、市内5地域において、『いきいき支援センター(地域包括支援センター)』を受託運営している。地域に密着した在宅療養サービスを提供している。

利用イメージ

SecureDocマネージドサービス

PCのフルディスク暗号化ソフトウェアであるWinMagic社のSecureDocを利用したマネージドサービスです。

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