財団法人 聖路加国際病院

PIT-PowerController for AMT

財団法人 聖路加国際病院 様

東京都中央区明石町9番1号
http://hospital.luke.ac.jp/

最先端の医療設備・機能を備えた総合病院はIT設備に対しても積極的に最新技術を採用

財団法人 聖路加国際病院

1902年、米国聖公会のルドルフ・トイスラー博士によって創設された聖路加国際病院。宣教師であると同時に医師でもあった同博士の教えにより、設立当初から現在に至るまで、患者の目線に立った診療と介護を提供している同病院は、時代の変化とともに、常に新しい医療サービスのあり方を追求し続けています。1992年の新病棟竣工以降は、プライバシーが保護された快適な入院生活を提供するべく、小児病棟以外のすべての病室を個室化。ロビーや礼拝堂が緊急時に応急処置場として機能するように設計、24時間対応の救命センターも設けました。しかし、こうした設備や機能は、ITというツールなしには十分に活用できません。たとえば、患者の状態や新薬情報等を記録しているパソコンは、診療開始時には立ち上がっていることが必須です。前々からその重要性について声高に主張していたという、同病院医療情報センターシステム運用室SEマネージャー・青木宏之さんに、PIT-PowerController for AMTが医療現場にどうかかわっているかについて伺いました。

祝日や組織独自の休日に対応したパソコン電源管理ソフトを構想

財団法人 聖路加国際病院 医療情報センター システム運用室 SEマネージャー 医療情報技師 青木 宏之さん
財団法人 聖路加国際病院
医療情報センター システム運用室
SEマネージャー 医療情報技師
青木 宏之 さん

―PIT-PowerController for AMTは、青木さんの提言がきっかけで開発に至ったそうですね。そもそも、なぜパソコンの電源の ON/OFF処理を自動で行いたいとお考えだったのでしょうか?

以前は、電源のON/OFFは担当者が診療室をまわって手動で行っていたのですが、その手間が省けたら業務の負担が減ると考えたためです。パソコンの起動は、たとえばWake On LANで命令をだすこともできますが、信頼性は高くなく、セグメントを超えることもできません。病院は毎日の診察時間が決まっていますので、毎日の始業時刻・就業時刻に合わせて確実にON/OFFが行われるシステムでなければ安心して使うことができません。平日・週末・祝日など日によって異なる診療時間にも対応していないと、自動処理できるメリットが半減すると考えていました。

―そのアイディアを実現するために、インテル株式会社に話を持ちかけられたとお伺いしましたが、それはなぜだったのでしょうか?

インテルさんが、AMTという技術で、ハードの中に常に生きている小さなコンピューターを組み込み、命令を受けることを可能にしたということをお伺いしたことがきっかけです。その技術があれば、指定した時間に確実にパソコンを起動・シャットダウンさせることが可能であると確信しました。一方で、その技術をいかすためには対応したソフトが必要ですが、そういったソフトのほとんどはエージェント型の課金モデルを採用しているため、気軽に利用することができなかったのです。また、日によって設定時間を変えるなどの細かい制御には対応していなかったため、そうしたネックをクリアするソフトが開発されることが理想だと考えました。

―そうした青木さんの声があって、PITPowerController for AMTが誕生したわけですが、実際にご利用になってみていかが思われましたか?

これまでは、各現場のスタッフが、出勤後に一台一台電源を入れて回っていたのですが、導入したことでその手間が減りました。うちの病院では、診療部門や検査室、一般事務など合わせておよそ1,500台のパソコンを利用しているのですが、現場によっては個々の端末の設置場所が離れていることもあるため、全端末を起動させるだけでも数分かかっていたんです。その手間を削減できたことに対して、現場スタッフからも評価の声が上がっています。

―システムを管理している青木さんにとっては、どんなメリットがあったのでしょうか?

管理に使用しているパソコンで、すべての端末をコントロールできることが最大の利点だと思います。このソフトウェアをインストールすれば、ネットワーク上にある、インテル®AMT搭載のパソコンを自動検出でき、グループ管理することもできます。各クライアントにエージェントを仕込む必要もないですし、ハンドリングのよさは圧倒的ですね。

―PIT-PowerController for AMTの導入によって、仕事の効率もあがりそうですね。

ITは「道具」なんで、“このITがあるからこうしたい”じゃなくて、“こうしたいからこのITを使う”っていうスタンスで仕事することがすごく大切だと思うんです。このシステムを使用することで電力やスタッフの労力削減を実現できていますが、病院全体のシステムを運営する上でも、「いかに無駄を省いて効率よく仕事できるか」を常に考えています。たとえば、うちの病院では会議用資料もすべてオンライン上で配布を行い、ペーパーレスを心がけています。

医療の質を向上させるためにもIT業界・医療業界の共助は不可欠

―日頃から、業務のベストな運用方法を模索しているからこそ、PIT-PowerController for AMT導入に至ったのですね。

業務に使うシステムの導入に関しては、常に数年先までのロードマップを策定しています。システムの導入は大きなプロジェクトで影響も大きいので、今後を見据える事が重要です。システムだけではなく、ハードひとつとっても、5年も経つとだいぶ動きが遅くなるし、ソフトだって新しいバージョンのほうが当然機能も豊富なわけですから、数年ごとにバージョンアップすれば仕事の効率もあがります。とはいえ、予算にも限りがありますから、闇雲にあれもこれもと導入するわけにはいきません。そうなると、よりよいものをよりよいタイミングで導入することが何よりも重要になってきます。大規模システムから今回のようなツールまで、導入するものはいろいろありますが、医療の発展にITという道具を最大限に生かす、という目的は同じです。今後もIT業界・医療業界が、医療の発展という同じ目標に向かって力を合わせることで、さらにすばらしい医療を提供できるようになればと願っています。

財団法人 聖路加国際病院

1902年、米国聖公会の宣教医師として来日したルドルフ・トイスラー医師により聖路加病院として創設後、ほどなくして総合病院に発展。聖路加国際病院に改称。1992年には小児科を除く全室個室の病棟が設立され、救命救急センター、予防医療センターならびに公益財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所の臨床疫学センターと協力した臨床医学、看護の研究・教育が行われている。

利用イメージ

PIT-PowerController for AMT

インテル®AMT(インテル®アクティブ・マネジメント・テクノロジー)を活用したPC電源管理ソフトウェア
リモートでのPC電源管理で、管理者の負担軽減と省電力を実現

PIT-PowerController for AMT