PC調達時に悩まない!法人向けPCの賢い選び方

調達支援

はじめに

本記事をご覧のみなさまは企業でPCを調達する際に、どのようにPCを選ばれていますか?

現在、多くのPCベンダーが色々な機種・モデルを次々とリリースしており、選択肢が多すぎてなかなか選べない、どの機種にすればよいのか分からないといった情報システム部門のご担当者も多いのではないでしょうか。今回の記事では、一般的な内容ではありますが、PC調達時に悩まないよう法人向けPCの賢い選び方についてご紹介したいと思います。

購入以外の選択肢の有無を確認しよう

PCは、購入する(自社の資産とする)ものだとお考えのご法人様も多くいらっしゃいます。確かに法人向けPCにおいても低価格化が進んでおり、自己資金で賄えるほどの価格になってきたというのも理由の一つでしょう。一方で、短期間だけPCを利用したい場合やPCの台数が増えて管理に困る場合もあるかと思います。そのため、機種を選ぶ前にPCの利用用途や調達後のPC管理方法も含めて調達方針(購入・レンタル・リース)を決めておくとよいでしょう。

レンタルの場合は、レンタル会社の在庫PCから選ぶ

PCをレンタルする場合は、レンタル会社が保有している機種の中から選ぶ必要があります。そのため、選択できる機種やスペックについては、ある程度限定されます。最終的には、レンタル期間、機種、台数、費用、付属サービスといった複合的な要素からPCを選ぶことになります。

レンタル以外の場合は、PCの絞り込みが必要

PCを購入するまたはリースにする場合は、レンタルのように機種が限定される要素はありませんので、数多くある機種から会社にあったPCを絞り込む必要があります。以降の章で詳しくご紹介したいと思います。

極力、法人向けPCを選択しよう

法人としてPCを使用する場合、極力法人向けPCを選ぶことを推奨します。PCの価格はコンシューマーモデルのほうが安いものもありますが、ターゲットはあくまでも一般ユーザーなのでビジネス用途で利用する際に、後であれができない、これもできないとなって後悔してしまうことも考えられます。また、法人向けPCの場合は、日本国内で設計していたり、日本国内で生産して品質を高めたりといった工夫をしているPCベンダーもありますので、一般的には法人向けPCのほうが品質は高く安心して長く使うことができます。

その他、コンシューマーモデルを選ばないほうが良い理由をいくつかご紹介します。

  • サポートレベルが高くない
    コンシューマーモデルは家庭向けの一般ユーザーが対象となりますので、保証期間が短かったり、パーツ保証期間が短かったりとサービスレベルで法人向けモデルと大きく異なる場合が多いです。価格だけで選んでしまい、後で困ってしまうことがないように十分注意しましょう。

  • Homeエディションの場合、ビジネスユースで有用なOS機能が使えない
    コンシューマーモデルは、Windows 10 Homeエディションが多く搭載されています。Homeエディションは、家庭で使うことを前提としているため、Active Directoryに参加する機能がなかったり、年に2回リリースされる機能更新プログラム(大規模アップデート)の適用を延期させる機能がなかったり、BitLockerというドライブ暗号化機能がついていなかったりとビジネスユースに有用なOS機能がついていないため、運用上大きな問題を抱える可能性が高いです。また、ビジネスで利用するアプリケーションについては、概ねWindows 10 Proエディション以上で評価・検証されていますので、安定動作・サポートといった点でもHomeエディションは避けたほうが無難です。

  • ハードウェア搭載のセキュリティ・管理機能が少ない場合がある
    法人向けPCでは、自己暗号化ドライブ、TPM(セキュリティチップ)、生体認証といったハードウェア搭載のセキュリティ機能が充実している機種がありますし、インテル vProプラットフォームのようなリモートからPCを管理する機能が付属している機種もあります。法人向けPCを利用することでより安全に、より効率的にPCを運用・管理することができます。PCを選ぶ際に、情報システム部門にて3~5年間運用することを想定した上で、コンシューマーモデルで良いのか、法人向けモデルにするのか判断すると良いでしょう。

PCに付属するセキュリティ対策の落とし穴

法人でPCを調達する際、機密情報や個人情報保護の観点からPCの盗難・紛失対策といったセキュリティ対策についても検討すると思いますが、下記に挙げるPCに付属しているセキュリティ機能を過信してしまうと情報漏えいしてしまう可能性がありますのでご注意ください。

  • BIOSパスワードは安全ではない
    まだまだBIOSパスワードを設定している企業は多いのではと考えております。BIOSパスワードを使用することでその筐体からOSを起動させることは難しくなりますが、HDD/SSDをPC筐体から取り外してしまえば、容易にデータを取り出すができますので注意が必要です。また、BIOSパスワードを忘れてしまった場合は復旧できないため、多くの企業では統一したパスワードを設定しており、従業員の入れ替わりが多い企業・業種においては安全とは言えません。

  • HDDパスワードが使えない機種も増えている
    HDDパスワードは文字通り、HDDにパスワードを設定し、パスワードを入力しないとデータにアクセスすることはできません。しかし、専門業者であればパスワードが解除できたり、解除ツールが出回っていたりします。BIOSパスワードと同様パスワードを忘れてしまった場合に復旧できないため、多くの企業では統一したパスワードを設定しており、従業員の入れ替わりが多い企業・業種においては安全とは言えません。また、最近はSSDの普及に伴い、SATAではなく、NVMeというより高速な接続方式が採用されているPCが増えています。このNVMe接続の場合、SATAで規格されているHDDパスワードは原則使用できないため、注意が必要です。

  • 自己暗号化ドライブはそのままではデータ丸見え
    最近「自己暗号化ドライブ」や「Opalドライブ」というドライブ自体に暗号化機能が搭載されたHDD/SSDが多く出荷されています。但し、この機能を使うには、
    HDDパスワードと併用するか、ディスク暗号化製品と併用するかのいずれかの対応が必要となります。PCのカスタマイズメニューから自己暗号化ドライブを選択しても、工場出荷状態のままでは、鍵がついたままの錠前と同じ状態で、いつでも鍵を使ってデータを取り出すことができてしまいますので、暗号化されていないのと同じ状態となりますので注意が必要です。また、NVMe接続の場合、HDDパスワードと併用するパターンが原則使用できませんので、ディスク暗号化製品と併用する必要がでてきます。買えば安心という話ではありませんのでご注意ください。

候補となる機種を絞り込むには?

次に、候補となる機種を絞り込んでいく手順についてご紹介します。

利用目的・用途からシリーズを決める

当たり前と言えば当たり前ですが、PCの利用目的・用途から大枠となるシリーズを決めることが一番の近道です。PCの利用目的が持ち出しもできるPCであればB5サイズのモバイルPCが候補となりますし、事務用途で持ち出しをしないようであれば低スペックCPUでA4サイズのノートPCが候補となります。必要以上にスペックの高いPCを選んでも費用が高くなるだけですので、PCの利用目的・用途からシリーズ・機種を絞り込むことが重要なステップとなります。

各PCベンダーでは、多くの機種・モデルを用意していますが、法人向けPCであれば中小企業向け、企業向け、高性能(開発やグラフィック用途向け)といったいくつかのシリーズに分類されていることが多いです。まずはPCの利用目的・用途にあったシリーズを探すと良いでしょう。以下に、主要なPCベンダーのノートパソコンのシリーズをまとめたものを記載しますので参考にしてください。なお、内容については本記事執筆時点(2019年7月)の内容となります。各PCベンダーのシリーズ名・機種名等は変更される可能性がありますので予めご了承ください。

  • DELL製PC
    法人向けノートPCとして、Vostro(中小企業向け)、Latitude(ビジネス向け)、Precision(プロフェッショナル向け)という3つのシリーズがあります。さらにシリーズ毎に300050007000という細かいシリーズに分類されており、数字が大きくなるほどハイスペックモデルとなっています。つまり、細かく分類すると法人向けPCは9シリーズありますので、PCの利用目的・用途・費用感を確認しながら、例えば、Vostro 7000やLatitude 3000あたりがターゲットゾーンかなぁといった感じで絞り込むと良いでしょう。ちなみに上から2桁目の数字はディスプレイのサイズを表しており、3[4]80であれば14インチ、3[5]68であれば15インチのディスプレイを意味しています。

  • HP製PC
    法人向けノートPCとして、HPシリーズ(エントリーモデル)、Proシリーズ(中小企業向け)、Eliteシリーズ(ビジネス向け)という3つの分類があります。HPシリーズはHP 255、ProシリーズはProBook 430、EliteシリーズはEliteBook 830というように3桁の数字が割り当てられています。全シリーズで一貫して上から1桁目の数字が高いものが高スペックとなっています。各シリーズにはそれぞれディスプレイのサイズ別に4~6モデルほどありますので、PCの利用目的・用途・費用感を確認しながら、どのシリーズ・モデルにするのか決めると良いでしょう。ちなみに上から2桁目の数字はディスプレイの大きさを表しており、2[5]5であれば15インチ、4[3]0であれば13インチのディスプレイを意味しています。

  • NEC製PC
    法人向けノートPCとして、VersaPro J(SOHO向け)、VersaPro(企業・自治体・官公庁向け)という2つの分類があります。さらに2つの分類の中にモバイルノート(12.5型)、2in1モバイルノート(13.3型)、ビジネスノート(15.6型)というディスプレイ型による分類があります。モバイルノート、2in1モバイル、ビジネスノートにはそれぞれ1~5機種あり、ハイエンドモデル、スタンダードモデル、ベーシックモデル、エントリーモデルというように分類されています。まずは、VersaPro JなのかVersaProなのか選択した上で、PCの利用目的・用途・費用感を確認しながら、どのモデルにするのか決めると良いでしょう。例えば、企業向けなので「VersaPro」を選択し、モバイル用途なので「モバイルノート」および「2in1モバイル」を候補とし、あとは利用用途・費用感から必要なスペックのモデルに絞り込むと良いでしょう。

  • パナソニック製PC
    法人向けノートPCとして、形状別に2in1モデルクラムシェルモデルの2つの分類があります。2in1モデルには、RZシリーズ(10.1型)、XZシリーズ(12.0型)があり、クラムシェルモデルにはSVシリーズ(12.1型)、LVシリーズ(14.0型)があります。まずは形状、画面サイズからシリーズを絞り、細かいスペックを決めていくと良いでしょう。パナソニック製PCは各シリーズに細かい型番がありますので利用目的や用途にあったスペックから型番を決めていくと良いでしょう。

  • VAIO製PC
    法人向けノートPCとして、VAIO Proシリーズを展開しています。Proシリーズの中では、ディスプレイのサイズや端末形状によりラインアップが分かれています。LTE搭載のモデルが多いのが特徴の一つです。まずは、形状、画面サイズからモデルを絞り、後からCPUやドライブ等の細かいスペックを調整していくと良いでしょう。

PCのスペックからシリーズを決める

PCスペックの必要要件がある程度決まっているのであれば、価格.comのようなサイトから外部インターフェース数から絞り込むとか、ディスプレイサイズや重さから絞り込むといったことも可能かと思います。但し、表示される機種数は多くなってしまうと思いますので、さらに目的・用途によってシリーズ・機種を絞り込む必要がでてくると思います。

絞り込んだシリーズ・機種からスペックを決める

上記ステップで、いくつかのPCベンダーから候補となるシリーズ・機種を絞り込んだ後、さらに詳細スペックを決めていきます。利用目的・用途から一気に詳細スペックまで決めてしまうことも可能だと思いますし、社内アンケート等で必要なスペックを聞いたり、実際に実機を借りて評価・検証してみたり、予算に合うスペックから選んだりと企業それぞれの事情に踏まえて決めることになると思います。

ベンダーから見積もりを取得する

ある程度候補となる機種・スペック・台数が決まった後、PCベンダー、PCの販売代理店等に対してPCの見積もりを依頼します。調達手段として購入以外にも選択肢がある場合は、リース・レンタル業者に対して月額リース料・月額レンタル料の見積もりを依頼します。

PC選定の後、マスターイメージの作成やクローニング、個別キッティング作業、配送、さらにはデータ消去、廃棄作業がありますので、最終的には、PCの運用管理面についても併せて検討する必要があります。良いPCを選ぶことができても3~5年後にPCが今どこに何台あるか分からなくなってしまい、次のPCリプレース時に何台調達すればよいか分からないといった事態を招かないような管理が必要です。PCを選ぶ際にPCの運用管理についてもどのように実現するのか併せてご検討いただければと思います。

まとめ

本記事では、PC調達時に悩まないよう法人向けPCの賢い選び方についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか?

これまで紹介してきました通り、どのPCベンダーも利用用途に合ったシリーズをいくつも用意しております。その中から自社にあったシリーズを見つけ、その中からディスプレイサイズや詳細スペックをもとに一つ一つ絞り込んでいくのが一番効率的だと思います。PCベンダー毎にシリーズの分類方法が少しずつ異なりますので、シリーズ全体の構成を理解しておくと選びやすくなると思います。

弊社では、PC調達手段としてリース・残価設定型レンタルを提供している他、キッティング、代替機交換、データ消去、返却等のライフサイクルマネジメントサービスを提供しております。PCを選んだ後工程についてお悩み・課題がありましたら、ぜひ弊社までご相談いただければと思います。

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